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特集 腸内細菌と全身疾患

Ⅱ腸内細菌と代謝疾患

腸内細菌と糖尿病

藤坂志帆戸邉一之

Pharma Medica Vol.38 No.12, 47-50, 2020

2000年代以降,次世代シークエンサーの開発とメタゲノム解析の進歩により,腸内細菌叢がさまざまな全身疾患に関連することが明らかとなった。腸内細菌叢は栄養素の流れる腸管と栄養素を吸収する流れの途中に存在し,その数は100兆を超え,腸内環境に適応して活発に代謝を行っている。近年では,肥満や2型糖尿病では腸内細菌叢の組成が大きく異なり,多様性が低下することなどが知られている。さらに,腸内細菌種やの細菌の構成成分,代謝産物などが,直接的あるいは間接的に宿主のエネルギー代謝,糖代謝に影響を与えることがわかってきた。本稿では,腸内細菌と糖尿病の関連について,これまでの報告を中心に紹介したい。
「KEY WORDS」糖尿病,腸内細菌,薬剤,腸管バリア機能

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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