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特集 糖尿病性腎臓病(DKD)Basic & Clinical up-to-date 2020 ~進化するDKD治療~

Ⅰ 糖尿病性腎臓病Basic 2020 ~Bridging to Clinical Research~

ミトコンドリアからDKDを制御する

鈴木健弘阿部高明

Pharma Medica Vol.38 No.9, 25-29, 2020

腎臓は,尿細管上皮での活発な物質輸送のエネルギー代謝をミトコンドリアによるATP産生に依存する。糸球体を構成するポドサイト,糸球体血管内皮とメサンギウム細胞も,その複雑な構造と機能を維持するためにミトコドリア代謝を必要とする。このため,腎疾患においては一次性,二次性にミトコンドリア機能異常がその病態に深く関わる。糖尿病では,細胞でのインスリン作用の低下によりミトコンドリア代謝基質の供給と代謝が障害される。糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)は既存の治療法による進行阻止が困難であり,ミトコンドリア機能障害を基点とした治療戦略が近年注目されている。本稿では,DKDにおけるミトコンドリア機能異常と,それをターゲットとした治療戦略について最近の知見を概説する。
「KEY WORDS」ミトコンドリア,ミトフィリン/Mic60,ATP合成酵素,ATP,活性酸素,酸化ストレス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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