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特集 うつ病と認知症

単身高齢者のメンタルヘルス

~地域包括ケアの現状と課題~

辻哲夫

Pharma Medica Vol.38 No.8, 57-61, 2020

日本においては,超高齢化が進行しているが,今後75歳以上の人口の増加が著しく,2025年には団塊の世代が75歳を超える。2025年問題といわれている。その後は,おおむね2040年に向けて,85歳以上の人口が増加する。
東京大学高齢社会総合研究機構秋山弘子客員教授の日本人の自立度に関する調査をみてみたい(図1)。平均的にみて,男性の約2割,女性の約1割は,70歳前後で急速に自立度が低下している。これは,生活習慣病の影響による脳卒中などが原因と推測される。一方,男性の約7割,女性の約9割は,75歳頃から徐々に自立度が低下している。これは,老年症候群,つまり老いの姿ともいえるが,このように要介護に至るまで徐々に自立度が下がる過程の状態は「フレイル」と呼ばれている。今後は,従来からの生活習慣病予防に加えて,フレイルを予防し,フレイルを遅らせることが大きな課題である。もとより,図1からみて,大部分の人が大なり小なり,人の世話になるような要介護状態になることも事実であり,今後は,このような状態における「QOL」の確保を図り,弱っても安心なケアシステムを作ることが重要となる。このような背景の下で,2025年を目途として推進されているのが地域包括ケア政策である。
「KEY WORDS」超高齢社会の到来,地域包括ケアとその深化,フレイル予防における社会性の重視,高齢者のメンタルヘルスと社会性,メンタルヘルスにおけるゼロ次・一次予防

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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