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特集 うつ病と認知症

うつ病と認知症の関係

①認知症専門医の立場から

梅田寿美代鐘本英輝池田学

Pharma Medica Vol.38 No.8, 9-13, 2020

高齢者のうつ病と認知症は臨床症状に共通点がみられるため,認知症を疑われて外来を受診するうつ病患者が一定数存在する。逆に,認知症に伴う抑うつ症状がうつ病と診断され,抗うつ薬による治療が長期間続けられていることもある。うつ病と認知症では治療方針やその後の経過が異なり,認知症診療の現場では両者の鑑別を慎重に行う必要がある。本稿では認知症専門医の立場から,両者の鑑別が難しい理由,認知症を疑われて受診した患者においてうつ病を鑑別するためのポイント,一度うつ病や認知症と診断した患者において診断を再検討すべき場面とその対応を検討し,認知症診療の現場におけるうつ病と認知症の関係について概説したい。
「KEY WORDS」うつ病,認知症,共通点,鑑別

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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