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特集 がんバイオマーカーの探求

リキッドバイオプシー実現のための装置開発

平井光春

Pharma Medica Vol.38 No.7, 47-50, 2020

がんは長年にわたり日本人の死因第一位を占める疾患である(図1)。一方,がんは早期発見することで高い生存率が期待できる疾患でもあり,がん種にもよるがステージⅡ以前で発見されたがんの5年相対生存率は全体として8割程度である。一方,ステージⅣで発見されたがんの5年相対生存率は全体として2割未満である。このことは,がんの生存率改善には早期発見が重要であることを示している。現在がん検診に用いられている方法は主に放射線や内視鏡などを用いた画像検査であり,早期発見率の向上にはより低侵襲かつ安価で感度・特異度の高い検査法が求められるといえる。一方で,低侵襲な検査方法として挙げられる血液検査において,十分な感度・特異度を示すものは実用化されていない。
そのようななか「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」などの研究により,血清中マイクロRNA(miRNA)を用いることでさまざまながんを画像検査並みの高い感度・特異度で検出可能になるということが判明しつつある。
本稿では「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」を通じて開発したmiRNA高感度測定技術やこの技術を応用した自動測定装置の開発について述べる。
「KEY WORDS」がん早期発見,リキッドバイオプシー,自動測定装置,高感度測定技術

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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