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特集 がんバイオマーカーの探求

メタボローム解析によるがん検査の開発

杉本昌弘

Pharma Medica Vol.38 No.7, 19-23, 2020

本稿ではがんの代謝異常に注目したがんの検査方法を紹介する。われわれは代謝物を網羅的に測定するツールとしてメタボローム解析技術を開発してきた。本解析手法を用いて,ヒトのがん組織で起きている代謝異常を調べ,さらにその異常が血液などの低侵襲に採取できる検体でも調べることができないかを研究してきた。さらに,尿や唾液などの侵襲性が全くない検体においても研究を行い,これらの検体でも同様の方法で検査ができれば検査を受ける被験者の身体的な負担が減る。しかし,侵襲性が低い検体になれば,それだけ変動要因が大きく,従来の検査より扱いが難しい。そこで検体採取やデータ解析など,検査に関わる一連のすべてに関して,基礎的な検討を基に再現性の高いデータを取得する必要がある。ここでは,これらの取り組みを紹介する。
「KEY WORDS」メタボロミクス,バイオマーカー,唾液,ポリアミン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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