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Medical Scope

乾癬のバイオマーカー研究最前線

中島英貴

Pharma Medica Vol.38 No.6, 57-60, 2020

乾癬のバイオマーカーとして日常臨床でCRPが使用されているが,疾患活動性を正確に反映せず治療薬の有効性を判断する根拠にはならない。ロイシンリッチα-2グリコプロテイン(LRG)は主に肝臓から産生されるが,IL-6,TNF-α,IL-22などの炎症性サイトカインによって局所においても発現が誘導される急性期蛋白質である。乾癬においてLRGはPASIスコアと強い相関を示し,重症度に従い上昇する。さらに生物学的製剤投与後の血清LRG値は臨床スコアと連動して推移することから,血清LRGのモニターにより治療薬の増量,変更もしくは投与間隔の延長の判断と生物学的製剤中止後の再燃予測が可能である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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