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特集 高齢妊娠・出産の現状と課題

ハイリスク妊娠と高齢妊娠

③妊娠糖尿病

安日一郎

Pharma Medica Vol.38 No.6, 21-27, 2020

加齢に伴い糖代謝は劣化する。したがって高齢妊娠は糖代謝異常合併妊娠のハイリスク因子である。2016年の内閣府「平成30年版 少子化社会対策白書」1)によると,日本の平均初産年齢(第1子出産年齢)は30.7歳で,第2子32.6歳,第3子33.6歳となっている。米国では2014年に初産平均年齢が26歳を超えたことが話題となったが2),日本の比ではない。妊娠と糖代謝異常リスクという観点からは,欧米先進国が肥満人口の増大が圧倒的なリスク増加の主因であるのに対し,日本では初産年齢の高年齢化がその主因の1つとなっており,高齢化は肥満の進行の因子でもある。本稿では,糖代謝異常妊娠,特に妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:GDM)について,主にその病態と疾患概念について概説する。
「KEY WORDS」妊娠糖尿病,高齢妊娠,インスリン抵抗性,2型糖尿病,インスリン分泌不全

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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