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特集 地域包括ケアと在宅医療

地域包括ケアとACP

紅谷浩之

Pharma Medica Vol.37 No.11, 45-48, 2019

内閣府の調査によると,最期を迎えたい場所について,「自宅」を希望している人は全体の54.6%,「病院などの医療施設」を希望している人は27.7%である1)。一方で,死亡者数全体の73.9%が,最期は「病院」で亡くなっていることから2),希望が叶わないケースが相当数あることがわかる。そのときどきの心身の状態により,最期を迎えたい場所が異なるとの調査結果も出ており3),今後ますます本人の希望を叶えるための議論は重要になる。
本人と家族や医療者との間でギャップが生まれる背景には,事前の話し合いの不足があると考えられる。厚生労働省が行った調査3)によると,人生の最終段階における医療や療養について詳しく話し合ったことがある人は,全体の2.7%に留まっている(図1)。話し合ったことがない理由については,「きっかけがなかった」,「必要性を感じない」といった意見が多くみられ,話し合うきっかけとなったのは「家族らの病気や死」,「自分の病気」といったような非日常の出来事であることもわかった。命の終わりを連想させる話題はどうしても敬遠されがちだが,死は遅かれ早かれ誰でも平等に訪れる。なるべく早い段階から話し合いを継続して行っていくことこそ,自分らしい最期を迎えることにつながるのではないだろうか。
「KEY WORDS」意思決定支援,人生会議,その人らしさ,健康,ポジティヴヘルス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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