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特集 NAFLD/NASH診療の現況と展望

NAFLD/NASHと遺伝学的素因

澤田保彦赤羽たけみ吉治仁志

Pharma Medica Vol.37 No.9, 41-45, 2019

非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)の一部が非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)に進展する機序として2段階説(two hits theory)が提唱されたが1),その後の研究からNASH発症には遺伝的素因も含む種々の因子が関与していることが判明し,最近はmultiple parallel hits hypothesis2)が広く受け入れられている。NAFLDの約20%がNASHに進展するといわれているが,NASHの原因遺伝子に関する研究でgenome-wide association study(GWAS)により原因遺伝子の解析がなされている。NASH増加の背景には,遺伝的背景に加えて,生活習慣の変化に伴う肥満人口の増加が関与しており,肝炎ウイルスの持続感染を伴わない肝細胞がんの増加の1つの誘因と考えられる。肝病変の改善には体重の減量や生活習慣の改善が有用であるので環境要因がNASHの発症に重要な役割を果たすことは明らかであるが,家族性発症や一卵性双生児研究から遺伝的素因の関与も重要と考えられている。
本稿ではNAFLD/NASHの遺伝学的素因を中心に述べる。
「KEY WORDS」非アルコール性脂肪肝炎(NASH),ゲノムワイド関連解析(GWAS),PNPLA3TM6SF2

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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