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特集 小児リウマチ性疾患の診療~これまでのエビデンスに基づく最近の知見~

抗リン脂質抗体症候群

岩田直美

Pharma Medica Vol.37 No.7, 51-55, 2019

抗リン脂質抗体症候群(anti-phospholipid syndrome:APS)は,病原性を有する自己抗体により主に血栓症をきたす疾患を指し,動静脈血栓症に加え,思春期以降で習慣性流産など産科合併症をきたす。APS単独で症状を呈する原発性APSと,他の膠原病に伴う二次性APSがある。劇症型APS(catastrophic APS:CAPS)では広範な微小血栓症により多臓器不全を呈する。
血栓症を誘発する自己抗体は抗リン脂質抗体(anti-phospholipid antibody:aPL)と呼ばれる。aPLは,リン脂質自体もしくはリン脂質と血漿蛋白の複合体に対する自己抗体の総称で,複数の抗体が含まれる。一方すべてのaPLが血栓症を誘発するわけではなく,血栓症を誘発するaPLとして,リン脂質と結合した血漿蛋白であるβ₂-グリコプロテインⅠ(β₂GPⅠ)とプロトロンビンそれぞれを対応抗原とした「β₂GPⅠ依存性抗カルジオリピン抗体(β₂GPⅠ依存性aCL)」および「ホスファチジルセリン依存性プロトロンビン抗体(aPS/PT)」が知られている。これらのaPLが結合するエピトープは血漿蛋白上にあり,血栓症をきたすaPLの対応抗原は,実際にはリン脂質ではなくリン脂質結合蛋白である。
「KEY WORDS」抗リン脂質抗体,抗カルジオリピン抗体,抗カルジオリピンβ₂-グリコプロテインⅠ抗体,ループスアンチコアグラント

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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