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特集 過活動膀胱に注目!

Ⅱ 過活動膀胱の治療 ①保存治療

山西友典布施美樹加賀勘家加賀麻祐子

Pharma Medica Vol.37 No.6, 25-28, 2019

過活動膀胱(overactive bladder:OAB)の保存療法の中心は行動療法である。これには,生活指導,膀胱訓練,理学療法などがある。生活指導には,体重減少,禁煙,食事,便秘治療などがある。膀胱訓練は,尿を我慢させることにより,蓄尿症状を改善させる方法である。広義の膀胱訓練として,定時排尿法,排尿習慣法,排尿促進法とあわせて計画療法という。理学療法の中心は骨盤底筋訓練(pelvic floor muscle training:PFMT)である。その他の理学療法として,フィードバック訓練(feedback training:FT)あるいはバイオフィードバック訓練(biofeedback training:BFT),電気・磁気刺激療法(神経変調療法)などがある。これらは,非侵襲的であり,OABあるいは切迫性尿失禁(urgency urinary incontinence:UUI),腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence:SUI)などすべての蓄尿障害に効果がみられるので,保存療法の第一選択とすべき治療法である。しかし保険を用いた日常診療でルーチンに行うのは困難である。また医療専門職による行動療法統合プログラムは,生活指導と膀胱訓練,PFMTを組み合わせ,さらには観察下強化訓練,FTおよびBFT,電気・磁気刺激療法などを含めた包括的な行動療法プログラムである。本稿では,OABに対する保存療法について,『過活動膀胱診療ガイドライン』第2版におけるエビデンスを中心に,推奨グレード(表1)を含め概説する1)
「KEY WORDS」過活動膀胱,行動療法,生活指導,膀胱訓練

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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