特集 過活動膀胱に注目!
特集にあたって
Pharma Medica Vol.37 No.6, 7, 2019
高齢者の増加に伴う社会や医学の諸問題は,今さら語るまでもない。その1つに,頻尿,尿意切迫感,尿失禁などの症状がある。トイレの回数が増えた,夜間に何度かトイレで目が覚める,というのが頻尿である。行きたくなるとすぐに行かないと収まらない,行かないでいると漏れそうになる,これが尿意切迫感で,遂に漏れてしまうのが尿失禁である。このような,高齢者に多い排尿の症状を一言で表現したのが,過活動膀胱(overactive bladder:OAB)である。OABは生命にかかわるような状態ではないが,多くの高齢者の生活の質を低下させ,ときに尊厳を損なう。その点で,重要な高齢者の健康問題である。
この特集では,OABに関する病態,疫学,診断を総論とし,治療としては,保存治療と薬物治療を主に解説していただいた。また,特に注意が必要な症例や,難治例についての記述も加えた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。