特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理
小腸におけるコレステロール吸収と動脈硬化
Pharma Medica Vol.36 No.10, 57-60, 2018
動脈硬化性疾患の危険因子である高LDLコレステロール(LDL-C)血症に対し,HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)による治療が行われ,大きな成果を上げてきた。スタチンの作用機序は,肝細胞内のコレステロール濃度を低下させ,LDL受容体をup-regulationすることで,血中LDLを肝に取り込み,胆汁中に排泄することである。一方で,小腸コレステロールトランスポーター阻害薬は,腸管上皮のコレステロールトランスポーターNPC1L1を標的とした治療であり,食事や胆汁に含まれるコレステロールの吸収を阻害する。小腸コレステロールトランスポーター阻害薬はスタチンに比し,LDL-C低下効果が小さいにもかかわらず,動脈硬化予防効果のエビデンスは蓄積されつつあり,小腸におけるコレステロール吸収機構と動脈硬化について解説する。
「KEY WORDS」NPC1L1,LXR,MTTP,エゼチミブ,腸管上皮細胞
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