特集 日常診療における感染防止対策
特集にあたって
―日常診療は標準予防策とともに―
Pharma Medica Vol.36 No.9, 7, 2018
安全で質の高い医療を提供することはすべての医療従事者にとって自明の目標であるように思われるが,実際にすべての医療従事者が医療安全対策を徹底できているのか,現場からの視点では残念ながら不安なところがある。患者の取り違えや情報伝達の不徹底などはそれでも意識されることが多く,自らが当事者にならないように,規則を守ることで自分が守られるように配慮する場合が多いように見受けられるが,一方,感染防止対策についてはなかなか厳しい状況がある。すべての患者のケアにおいて,患者が病原体を保有するか否かに関わらず標準予防策を実践することが求められるが,患者ごとの手指衛生を遵守できていなかったりすることから自分自身が病原体の伝播経路となっている事実に配慮できる医療従事者は少ないように思われる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。