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特集 肥満症とメタボリックシンドローム:予防医学と治療医学の観点から

肥満症治療薬の現状と展望

上野浩晶中里雅光

Pharma Medica Vol.35 No.11, 51-55, 2017

2016年に肥満症診療ガイドラインが改訂されたが,肥満症治療の基本は食事療法,運動療法,行動療法であり,薬物療法はそれらの治療を行っても有効な減量が得られない,または合併疾患の改善がない肥満症症例に対して考慮するとある。一部の肥満症症例では食事療法,運動療法,行動療法で有効な減量が得られるが,減量効果が限定的またはみられない,減量が得られてもしばらく後に再増加がみられることも日常臨床ではよく遭遇する。したがって,有効な減量が長期間持続し,かつ安全性の高い肥満症治療薬の登場が期待されている。肥満症治療薬の作用機序としては,摂取エネルギー量の減少,または消費エネルギー量の増加を目指すものが多く,前者では食欲を抑制するものと,摂取したエネルギーの吸収を抑制するものがある。本稿では肥満症治療薬について,わが国や世界における現状と,開発中の薬剤を含めて概説する。
「KEY WORDS」肥満症/薬物療法/食欲/摂取エネルギー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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