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特集 膵癌への挑戦

膵癌に対するより根治度の高い膵切除術とは

井上陽介齋浦明夫

Pharma Medica Vol.35 No.1, 39-45, 2017

膵癌は,数ある消化器癌のなかでも圧倒的に予後不良であり,5年生存率は5%前後である1)2)。膵癌を根治せしめる唯一の選択肢は,依然として外科的切除のみであるが,その対象となる患者の割合は膵癌全体の2割程度に過ぎない3)。切除可能膵癌では,近年は切除+術後補助療法,切除可能境界(Borderline resectable;BR)膵癌では術前補助療法+切除(+術後補助療法)といった,集学的アプローチで膵癌に臨む戦略が標準となってきており4)-6),外科的切除の役割は変化してきている。
今日膵癌の外科的切除に求められるものは何であろうか。本稿では,過去の知見をベースに考案された,現在当院で行われている膵切除のポイントを解説していく。
「KEY WORDS」膵癌,膵頭十二指腸切除術,補助化学療法,集学的アプローチ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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