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特集 がんのバイオマーカー:さらなる早期発見と的確な治療薬選択を目指して

PD-L1 3'非翻訳領域の構造異常によるがん免疫回避機構の解明と抗PD-1/PD-L1抗体治療のバイオマーカーとしての可能性

片岡圭亮小川誠司

Pharma Medica Vol.34 No.11, 23-27, 2016

抗PD-1/PD-L1抗体を用いた免疫チェックポイント阻害療法はがん治療に革新をもたらしており,特に悪性黒色腫,非小細胞肺がん,腎がん,ホジキンリンパ腫などの腫瘍をもつ患者に対して,劇的な効果を認めている1)-4)。その結果,海外ではいち早くこれらのがんに対して承認され,現在もさまざまながんに対して臨床試験が行われている。しかしながら,その奏効率は,治療効果を認める腫瘍でも20~30%程度にとどまっており,抗PD-1/PD-L1抗体の高額な治療費(約3,000万円/年)や自己免疫疾患に類似した副作用の発症を考慮すると,治療の応答予測可能なバイオマーカーの確立が急務である。実際,米国ではすでに3種類の抗PD-1/PD-L1抗体の効果予測用検査が承認されており,その必要性が如実に反映されている。
「KEY WORDS」PD-1,PD-L1,免疫チェックポイント,ニボルマブ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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