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特集 がんのバイオマーカー:さらなる早期発見と的確な治療薬選択を目指して

細胞外小胞・エクソソームによるがん診断

門田宰藤田雄落谷孝広

Pharma Medica Vol.34 No.11, 9-13, 2016

2015年の人口動態統計によれば,がんが死因の第1位を占めており,その数は37万人にも及ぶ。一般的にがんの早期発見は,そのがんでの死亡を減少させるため,各種がんで早期発見の方法が研究されている。また,近年分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など新薬開発がこぞって行われており,同時にこれらの治療薬の効果を予測するコンパニオン診断薬の研究も盛んである。本特集でも取り上げられているように,今後日常診療に応用される可能性のあるバイオマーカーが数多く開発されているが,そのなかでも,リキッドバイオプシーと呼ばれる患者の血液や尿といった体液を用いた診断や治療効果予測は,低侵襲であり,現在大変注目されている。このリキッドバイオプシーの新たな解析対象として細胞外小胞は脚光を浴びており,多くの研究がなされている。そこで本稿では,この細胞外小胞について,特にがん診断に焦点を当て,最新の知見を報告する。
「KEY WORDS」エクソソーム,がん,バイオマーカー,マイクロRNA

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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