<< 一覧に戻る

特集 糖尿病性腎症の克服を目指して~up to date~

糖尿病性腎症における細胞内代謝異常

Intracellular nutrient-sensing signals in diabetic nephropathy.

久米真司安田真子山原康佑

Pharma Medica Vol.34 No.6, 51-54, 2016

「はじめに」糖尿病性腎症(腎症)は不可逆的に進行する難治性の疾患と考えられてきた。しかし近年の臨床研究から,腎症は適切な治療により治癒可能な疾患であることが明らかとなってきた。このような知見は早期アルブミン尿症例だけでなく,厳格に血糖や血圧が管理された顕性蛋白尿症例でも観察されており,この数十年の糖尿病診療の改善が結果として目にみえてきたことは大変喜ばしいことである。しかしながら,このような治療を行っても,蛋白尿が増加しネフローゼ症候群を呈するような症例,蛋白尿が持続し尿細管障害を呈し末期腎不全へと進行していく症例がいまだ存在することも事実であり,これら難治性腎症に対する新規治療法の確立は,今後の研究課題の1つである。
「KEY WORDS」糖尿病性腎症,オートファジー,mTORC1,ポドサイト

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る