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特集 肝炎の最新情報と展望

脂肪肝炎研究の進歩

Advance in the research of steatohepatitis.

杉本和史竹井謙之

Pharma Medica Vol.34 No.2, 39-43, 2016

「はじめに」近年わが国においても,食事の欧米化,運動不足によりいわゆるメタボリックシンドローム(MetS)が増加しており,それとともに非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease;NAFL)も増加している。国内における人間ドック受診者でのNAFL有病率は20~30%とされており,NAFLは現在肝疾患の原因の第1位を占める。NAFLのうち1割程度が非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis;NASH)に移行すると推定されており,したがって人口の約2%はNASHの危険群であると考えられる。MetSが心血管疾患のリスクを増大させることはいうまでもないが,海外での疫学研究ではNAFLの死因は心血管疾患が最も多いことが報告されており1)2),NAFLはMetSと密接に関連する,肝における表現型と捉えることができる。
「KEY WORDS」脂肪肝,内臓脂肪,消化管

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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