<< 一覧に戻る

特集 多発性骨髄腫の最新情報Ⅱ

POEMS症候群~いかに考え,治療するか~

POEMS syndrome:pathophysiology, diagnosis, and treatments.

川尻千華中世古知昭

Pharma Medica Vol.34 No.1, 75-79, 2016

「はじめに」POEMS症候群(Crow-Fukase症候群,高月病)は形質細胞増殖症(plasma cell dyscrasia)を基盤として,多発神経炎による末梢神経障害,臓器腫大(肝脾腫),浮腫・胸腹水,皮膚症状(剛毛,色素沈着,血管腫),骨硬化性病変,M蛋白血症などを呈する全身性疾患であり1)2),まれではあるがわが国で比較的頻度の高い疾患である。成人に多く,形質細胞腫瘍の1~2%と推定される。1995年のTakatsukiらの報告によれば,文献例を含めた158例の検討にて男女比は1.5:1,発症年齢中央値は男女とも48歳で多発性骨髄腫と比較すると若年である3)。多彩な症状のなかで,特に末梢神経障害が患者の日常生活動作(activities of daily living;ADL)を著しく障害し,末期には四肢麻痺,多臓器不全に至る予後不良な疾患である4)。きわめて多彩な身体徴候や検査所見を呈し,しばしば他の疾患との鑑別に難渋し,まだなお診断の遅れる症例も多い。
「KEY WORDS」POEMS症候群,VEGF,自家末梢血幹細胞移植,サリドマイド,レナリドミド

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る