<< 一覧に戻る
特集 乾癬の病態と治療:最新の進歩
関節症性乾癬の診断と治療
The diagnosis and therapy for psoriatic arthritis.
吉崎歩
Pharma Medica Vol.33 No.9, 23-26, 2015
「はじめに」関節症性乾癬(psoriatic arthritis;PsA)は乾癬性関節炎とも呼ばれ,乾癬患者に認められる関節破壊を伴う慢性炎症性関節炎である。非リウマチ性関節炎であるが,リウマチ同様不可逆的な関節の変形を生じるため,発症早期に診断して治療を行う必要がある。PsAでは,他の乾癬との鑑別に役立つ特有の皮膚症状があるわけではないため,PsAにおける関節炎の特徴を理解しておくことは,診断の際に重要である。治療においてはサイトカインをターゲットとした抗体療法が用いられており,乾癬治療のパラダイムシフトをもたらした。わが国では2010年に抗tumor necrosis factor(TNF)-α阻害薬が承認を受け,保険適応となった。また,2011年には抗interleukin(IL)-12/23 p40抗体が登場し,2015年には抗IL-17抗体が新たに使用可能となるなど,PsA治療の発展は目覚ましい。本稿では,PsAの診断と治療についてまとめた。
「KEY WORDS」関節症性乾癬(PsA),生物学的製剤,CASPAR,DMARDs
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。