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特集 乾癬の病態と治療:最新の進歩
免疫学的視点からみた乾癬の病態
Immunological aspects of psoriasis.
藤田英樹
Pharma Medica Vol.33 No.9, 13-17, 2015
「はじめに」表皮角化細胞の増殖あるいは角質の剥離障害による角質肥厚を主な病態とする疾患群を角化症という。なかでも炎症所見の著明な角化症,つまり潮紅(赤くなること)と角化を主体とする角化症を炎症性角化症と呼ぶが,乾癬は代表的な炎症性角化症である。本稿では乾癬の炎症の部分(免疫学的側面)に焦点を当て,これまでの研究の流れに即してその病態につき解説する。なお紙面の都合上,本稿では乾癬の大多数を占める尋常性(局面型)乾癬のみを扱う。
「Ⅰ.乾癬の病理組織学的所見」乾癬の病理組織像を,正常皮膚との比較で図1に示す。乾癬の病理組織学上の最大の特徴は,著明な表皮肥厚(棍棒状肥厚と呼ばれる)と過角化(角質の肥厚)である。
「KEY WORDS」T細胞,TNF-α,IL-23,IL-17
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。