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特集 骨粗鬆症:超高齢社会における現状と課題

骨粗鬆症治療薬 骨形成促進薬

Bone anabolic therapy.

井上大輔

Pharma Medica Vol.33 No.2, 39-43, 2015

「はじめに」現在骨粗鬆症治療薬として骨折抑制効果を明確に有する薬剤は,すべて程度の差こそあれ骨密度を増加させて効果を発揮する。ビスホスホネート,選択的エストロゲン受容体調節薬(selective estrogen receptor modulator;SERM)や抗RANKL(receptor activator of nuclear factor kappa B ligand)抗体(デノスマブ)といった骨吸収抑制薬は,リモデリングユニットの数を低下させることにより,特に投与初期に顕著な骨密度上昇をもたらす。これに対して,骨形成促進薬は骨代謝を骨形成優位に活性化し,骨密度を著明に増加させる。現在使用可能な唯一の骨形成促進薬はテリパラチド(合成ヒトPTH1-34)であり,連日もしくは週1回投与の皮下注射製剤がある。さらに最近,骨形成抑制因子であるスクレロスチンを標的とした中和抗体が開発され,治験が進められている。本稿ではこれらの薬剤のエビデンスや特徴について概説する。
「KEY WORDS」テリパラチド,副甲状腺ホルモン(PTH),抗スクレロスチン抗体,骨細胞

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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