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特集 肺癌:最新の分子標的療法

新しい融合型キナーゼ

Novel fusion genes in non-small cell lung cancer: RET and ROS1 fusions.

猿渡功一葉清隆後藤功一

Pharma Medica Vol.32 No.11, 43-47, 2014

「はじめに」非小細胞肺癌では,上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor; EGFR)遺伝子変異の発見とEGFR阻害薬による分子標的治療の成功を発端とし,現在,ドライバー変異に基づく分子標的治療についての研究が盛んに行われている。2007年にSoda,Manoらにより,非小細胞肺癌におけるドライバー変異として,融合型キナーゼ遺伝子のEML4-ALKが同定された1)。その後,ALK融合遺伝子陽性肺癌(ALK陽性肺癌)に対するALK阻害薬のクリゾチニブの有効性が臨床試験の結果で示され2),わが国においてもすでにクリゾチニブは臨床導入されている。最近,新しい融合型キナーゼ遺伝子としてRET融合遺伝子やROS1融合遺伝子が発見された3)-7)。これらの融合遺伝子は非小細胞肺癌のわずか1~2%程度と希少頻度ではあるが,EGFRやALKと同様にドライバー変異に基づく分子標的治療によって,劇的な治療効果が期待でき,治療標的となる可能性がある。本稿では,ALK融合遺伝子に続く非小細胞肺癌の新たな治療標的として,特にRETおよびROS1融合遺伝子の概要と,その分子標的治療薬の開発状況について述べることとする。
「KEY WORDS」非小細胞肺癌,RET,ROS1,分子標的治療薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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