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特集 加齢黄斑変性:疫学から治療まで

EBMに基づくサプリメント

Supplements for AMD.

田中公二

Pharma Medica Vol.32 No.10, 51-56, 2014

「はじめに」加齢黄斑変性(age-related macular degeneration; AMD)は欧米では中途失明の原因の第1位となっており,わが国でも第4位で患者数は増加傾向にある。AMDは,滲出型,萎縮型の2つの病態に分類され,萎縮型に治療法はない。滲出型AMDに対しては近年,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor; VEGF)薬の登場で視力の維持が可能になってきているが,根本的な治癒は困難である。したがって,この萎縮型,滲出型AMDに至る前の段階(前駆病変)での予防が重要である。2012年に出されたわが国のAMD治療指針では,軟性ドルーゼン(図1),網膜色素上皮異常(図2)といった前駆病変,萎縮型AMDに対しては経過観察,ライフスタイルと食生活の改善,AREDS(Age-Related Eye Disease Study)に基づくサプリメント摂取が推奨されている。また,AREDSでは,片眼に滲出型AMDを発症した患者の僚眼の発症予防にサプリメントが有用であると報告された。ここではAMDの発症,進行予防を目的としたEBMに基づいたサプリメントの現状について述べる。
「KEY WORDS」AREDS,抗酸化物質,AREDS2

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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