【特集 乳癌診療の新しい展開Ⅰ】
遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC)とその予防
Hereditary breast and ovarian cancer syndrome.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.4 35-38,
2014
著者名
山内英子
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
一般外科
/
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
Pharma Medica
[はじめに] 昨年, 米国の女優が自身の遺伝的背景から未発症の両側乳房を予防的に切除したことが伝えられてから, 遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(hereditary breast and ovarian cancer syndrome; HBOC)について多くの関心が高まり, それと同時に遺伝性腫瘍という存在, 遺伝子検査での癌のリスクの予測, またその予防といったことに社会が考えさせられることになった. この症候群のみでなく, 他の癌にも遺伝性腫瘍といわれる遺伝的背景による影響が強いことにより発症してくるものがある. そのような病態に対して, 医療者のみならず, 社会が注意を払い, 必要なリスクの高い者を拾い上げ, そしてその予防策を講じること, またその体制を整えていくことは必要なことである. [I. 遺伝性乳癌, 卵巣癌の特徴] 昔から, 家族のなかに乳癌罹患者がいると, その女性の乳癌になるリスクは通常の場合より高くなるといわれてきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。