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文学にみる病いと老い

第79回 「クリスマス・キャロル」ディケンズ 

長井苑子泉孝英

Pharma Medica Vol.32 No.2, 162-167, 2014

村岡花子訳, 新潮社(新潮文庫) 平成23年11月刊 ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は, クリスマス・イブ*1の夜, 相棒だった老マーレイの亡霊と対面し, 翌日からは彼の予言どおりに第一, 第二, 第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する. 炉辺でクリスマスを祝う, 貧しいけれど心暖かい人々や, 自分の将来の姿を見せられて, さすがのスクルージも心を入れかえた……. 文豪が贈る愛と感動のクリスマス・プレゼント(文庫本カバー裏より引用) 一年がすばやく過ぎていく. 子供の頃のような季節感はなくなった. 12月に入ると, 師走*2という感じが近隣の市場や商店街の雰囲気からも感じ取れて, 年末へとなだれ込んでいく日々は, 子供心にも, 学生時代となってからも, 楽しいものがあった. 救世軍*3の慈善鍋*1, がらがら回る抽選器の音と歓声, 商店街のクリスマスの音楽, 音と動きには, 街中の活気があった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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