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肝炎治療;最近の進歩

今日のNAFLD・NASH治療法

小野正文岡本宣人西原利治

Pharma Medica Vol.29 No.10, 47-52, 2011

はじめに
 肥満人口の増加に伴い,非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease;NAFLD)と,その進行性の病態である非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis;NASH)は世界的にも増加の一途を辿っており,その対策は急務である。NAFLDやNASHは内臓肥満を伴う肥満やインスリン抵抗性,脂質異常症,高血圧などのいわゆるメタボリックシンドロームを背景病態としているため,治療の基本は食事・運動療法による体重減少である。体重減少により肝の脂肪化や炎症が改善することはよく知られているが,それのみでは改善しない場合には薬物療法などの併用が必要になってくる。本稿ではNAFLDやNASHに対する治療法の現状について概説したい。

KEY WORDS
●NAFLD ●NASH ●食事・運動療法 ●薬物療法

Ⅰ.体重減少

 体重の増加に伴って脂肪肝の割合が増加することから,NAFLD発症と肥満度との関連は明らかである(図)。

NAFLDやNASH患者においては,体重の7~10%程度の減量によりトランスアミナーゼの改善と肝組織学的改善が認められるとの報告があることから,NAFLD・NASH治療において一番重要なことは体重減少である。しかし,最近流行りのダイエット法などを用いた極端に急激な体重減少は,むしろ肝障害の悪化につながるので注意が必要である。

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