本誌『Pharma Medica』編集顧問をお務めいただいている高久史麿先生に若い頃の思い出を伺う機会を得ることができました. 会議のあいだの短い時間ではありましたが, 以前に弊社が取材した『The Lipid』2007年7月号(Meet the Boss 78-85, 聞き手:川上正舒先生)の記事をご覧いただきながら, おだやかにご対応いただきました. 大学ご入学までは九州でお過ごしになったと伺っています. 医学の道を志すきっかけは幼少時代にあったのでしょうか. 父は会津若松の坂下(ばんげ)の地主の家に生まれましたが, 次男でしたので東京に出たようです. 京都大学法学部を卒業した後, 慶尚南道で知事をしていた親戚を頼って, 朝鮮総督府に勤務するようになりました. 私は戦前の釜山に生まれ, 京城の小学校に通いました. 秀才で有名だった兄とは違い, 私は早生まれで, 幼稚園にも行ってなかったものですから, 小学校の3年生までは勉強はあまりできませんでしたが, 4年生になって厳しい先生に出会ってから少し勉強ができるようになってきました.