全文記事
血栓症治療の最新動向
新しい血栓溶解薬の開発状況
掲載誌
Pharma Medica
Vol.27 No.1 65-69,
2009
著者名
鈴木康裕
/
梅村和夫
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
脳血管障害
/
眼疾患
診療科目
一般内科
/
脳神経外科
/
神経内科
/
眼科
/
老年科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」血栓症は, 脳・心血管系のイベントを含めると近年, わが国をはじめ欧米先進国での死因の第1位となる. 2005年10月に遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA:アルテプラーゼ)が急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)に追加適応として虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後3時間以内)が承認されて以来, 新規に国内では承認されていない. 血栓溶解薬における臨床試験では, rt-PAを中心に行われており, rt-PAと血栓溶解薬の静注療法と動注療法の組み合わせ, 抗血小板薬, 血栓補足デバイス, 超音波, MRIなどを用いたものなどが行われている. このように血栓溶解薬の開発は乏しいものであるが, 現在開発中の血栓溶解薬について脳血栓症を中心に取り上げていきたいと思う. 「I. 日本で承認されている血栓溶解薬」表1に示すように現在日本で保険適応がある血栓溶解薬は, アルテプラーゼ, ウロキナーゼ, モンテプラーゼ, パミテプラーゼである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

