アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)は,認知症を来す進行性の神経変性疾患であり,脳内のアミロイドβ(amyloid β-protein:Aβ)凝集が特徴である1)。ADの進行を抑制する疾患修飾療法(diseasemodifying therapy:DMT)の開発が進行しており,現時点で最も開発が進んでいるのは抗Aβ抗体療法である。標的とするAβ凝集体の特性は異なるが,aducanumab,レカネマブ,ドナネマブは第Ⅲ相臨床試験にて有効性が確認され2)3),本邦では2023年12月にレカネマブ,2024年11月にはドナネマブが投与可能になった。しかし,これらは経静脈投与であり,副作用としてアミロイド関連画像異常(amyloid-related imaging abnormalities:ARIA)の出現といった課題がある。