本邦の人口は減少に向かっており,2025年以降,毎年150万人以上が死亡する多死社会となり,2040年にそのピークに達することが予想されている。その一方で認知症においては,高齢化を背景としてその患者数はしばらく増加の一途を辿るとされる。2024年5月に厚生労働省研究班からなされた報告では,65歳以上の高齢者の認知症の有病率は12.3%,軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)の有病率は15.5%であった1)。筆者らが診療している北海道は,2024年1月時点で約504万人が居住し,65歳以上人口の割合は都道府県別で全国19位にあたる33.1%である。ここから推定される北海道の認知症とMCIの合計患者数は46万人を超える。北海道は九州と四国をあわせたよりも広く,札幌市に人口と医療資源が集中しているため,交通インフラの整備が求められるが,冬の期間は寒冷や降雪などにより公共交通機関が運休することも多い他,経営状態の悪化や人的資源不足のために鉄道路線の廃止やバス路線の減少が相次ぎ,自家用車が通院に必須である地域も多く存在する。当然,このような地域では医療資源へのアクセスが難しい。
特集 認知症の地域医療連携-抗Aβ抗体薬発売1年後の現状と課題-
③過疎地域における認知症の医療連携-抗Aβ抗体薬治療を含めて-
掲載誌
The Curator of Neurocognitive Disorders
Vol.2 No.3 35-39,
2025
著者名
矢部 一郎
/
岩田 育子
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
精神疾患
/
神経疾患
/
脳血管障害
診療科目
神経内科
/
精神科
/
老年科
媒体
The Curator of Neurocognitive Disorders
Key Words
認知症
/
軽度認知障害
/
アルツハイマー病
/
過疎地域
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

