認知症は緩徐進行性の経過をたどり,認知機能障害が持続することが定義である。一方で,てんかんは発作が突然出現して,発作が終息すれば意識と認知機能は回復するというのが一般的な認識である。では,この2つの病態がどのように関連するのであろうか。

両者の関係は,これまで主に「鑑別」の文脈で語られてきた。てんかんの年齢別発症率は二峰性であり,小児と高齢者に多い1)。人口の高齢化に伴って高齢の認知症患者とてんかん患者が増加している。高齢てんかんの多くは側頭葉てんかんであり,発作型としては焦点意識減損発作(複雑部分発作)が多い2)。焦点意識減損発作は,数分間の意識減損および自動症を特徴とする。てんかん発作中は意識消失を来し,呼びかけに反応がなく,てんかん発作中にあったことを覚えていない。この状態を「ぼうっとしている」「言ったことを覚えてない」と捉えられると,認知症を疑われる(認知症と誤って診断される)ことがある。両者の治療的なアプローチが異なるため,鑑別の重要性が強調されてきた。