アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)患者では,アミロイドカスケード仮説が提唱されており,臨床診断の20年以上前から神経病理学的な変化が出現するとされる。今回,中国の首都医科大学宣武医院のJiaらは,孤発性ADの診断を受けた群の,診断に至る前の20年間におけるバイオマーカー(biomarker:BM)の縦断的な変化を,認知機能が正常な集団と比較することで,どの時点でBMに変化が生じるかを明らかにし,The New England Journal of Medicine誌2024年2月号で報告した1)