認知症の予防戦略
現時点でのオーバービュー
掲載誌
The Curator of Neurocognitive Disorders
Vol.1 No.1 40-43,
2024
著者名
古和 久朋
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
精神疾患
/
神経疾患
/
脳血管障害
診療科目
神経内科
/
老年科
/
精神科
媒体
The Curator of Neurocognitive Disorders
Key Words
前臨床期アルツハイマー病
/
WHOガイドライン
/
FINGER研究
/
J-MINT研究
/
多因子介入
認知症は認知機能の低下を示した状態を指す言葉であり,その原因は病型により異なるとはいえ,結果として認知機能を担っていた神経細胞が細胞死により数が低下,あるいは機能低下により生じる状態である。このプロセスは,最も研究が進んでいるアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)の場合,最初の病理変化とされる老人斑の蓄積は,認知症状態に至る20年以上前から開始されていることがわかってきた。いわば認知症とはきわめて潜伏期間の長い疾患であり,何らかの介入をこの期間に実施することにより,その発症を遅らせたり,防いだりすることが可能となりうると考えられるようになった。
本稿では,認知症の予防の必要性やそのエビデンスの確立状況,そしてそれに基づいた認知症予防の社会実装とその課題について概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

