特集 新たな局面を迎えた認知症診療の現状と展望─アルツハイマー病を中心に─
④液性バイオマーカーの現状と展望
掲載誌
The Curator of Neurocognitive Disorders
Vol.1 No.1 36-39,
2024
著者名
池内 健
記事体裁
抄録
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特集
疾患領域
精神疾患
/
神経疾患
/
脳血管障害
診療科目
神経内科
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老年科
/
精神科
媒体
The Curator of Neurocognitive Disorders
Key Words
バイオマーカー
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脳脊髄液
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アミロイドβ検査
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リン酸化タウ
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抗アミロイドβ抗体薬
アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)に対する抗アミロイドβ(amyloid β:Aβ)抗体薬が2023年に臨床実装され,本邦の認知症診療は新たな一歩を踏み出した。症候改善を目指した従来の抗認知症薬と異なり,病気の原因に直接作用し,臨床症状の進行抑制を示した抗Aβ抗体薬は,認知症治療のマイルストーンとなった。疾患修飾効果が期待される抗Aβ抗体薬の臨床実装は,認知症診断アプローチにも影響を及ぼしている。バイオマーカー(biomarker:BM)検査により背景病理を考慮した認知症診断の重要性が増し,抗Aβ抗体薬治療の要否を判断するための検査として,脳脊髄液(cerebrospinal fluid:CSF)Aβ検査とアミロイド陽電子放出断層撮影(positron emission tomography:PET)が2023年12月に保険収載された。本稿では,新たな局面を迎えた認知症診療における液性BMを展望する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

