超音波内視鏡下穿刺吸引法(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration:EUS-FNA)は病理学的診断のために非常に有用な検査法である1)。しかし,胆管や胆嚢などの胆道疾患に対するEUS-FNAに関しては報告が少なく,膵疾患などと比較すると診断法として十分には普及していないと考えられる。胆道疾患には悪性との鑑別が困難な炎症性疾患が多数存在し,内視鏡的逆行性胆道膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)関連手技により検体採取が行われることが多いが,しばしば病理学的診断が困難な症例を経験する。