日本では2019年に包括的がんゲノムプロファイリング検査が,2021年に転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対してPARP阻害薬が保険適応となったことをきっかけに,前立腺癌領域におけるゲノム医療の臨床導入が進んでいる。BRCA1/2遺伝子変異の検出にはPARP阻害薬のコンパニオン診断である3つの検査が行われているが,実臨床を踏まえてmCRPCより早いタイミングでの実施が望まれている。本座談会では基礎,臨床,遺伝医学の各観点から,前立腺癌領域における現状と問題点,今後の展望などをご討議いただいた。