臨床　『前立腺癌取扱い規約第5版』改訂ポイント

2022年5月，前版の発刊から十余年を経て，『前立腺癌取扱い規約第5版』が発刊された。病理分野においては，国際泌尿器病理学会（International Society of Urological Pathology：ISUP）の2014年コンセンサス（ISUP 2014）および2016年に発刊されたWHO分類第4版に準じて改訂が行われた。主な改訂点は以下の通りである。①各Gleasonパターンの定義の変更，②導管内癌の概念の導入，③Gleasonパターン4/5の割合（％GP4/5）の評価，⑤微少な高Gleasonパターン成分が存在した場合の取り扱い，⑤pT2亜分類の廃止，⑥組織型の分類変更，⑦術前治療の組織学的効果判定基準。本稿においては，これらの事項に関して，変更に至った背景と，臨床的な取り扱い上の注意点を含めて解説する。