ヒトメタニューモウイルス(human metapneumo-virus:HMPV)は,2001年にOsterhausらの研究グループによって,急性呼吸器感染症の小児より発見された1).HMPVは調査が進むにしたがって,世界各国で急性呼吸器ウイルス感染症を引き起こしていることが明らかになった2).また,このウイルスによる院内・施設内集団感染の関与も明らかになっている3,4)
本稿においては,HMPV感染症の疫学を中心とした知見を概説する.