同じ遺伝的背景をもつ近交系マウス間において,増殖した腫瘍をいったん切除した宿主マウスに同じ腫瘍片を再移植しても腫瘍は生着せず拒絶されることが,1950年前後に示されました.この事実は免疫系の腫瘍への関与,つまり腫瘍には拒絶抗原が存在することを示しており,この機序ががんワクチンの原型となっています.この系でCD8+T細胞である細胞傷害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte:CTL)を抑制する抗体を投与すると抗腫瘍効果が消失することなどから,腫瘍免疫の主役はリンパ球,特にCD8+T細胞であることが明らかとなっています.