ピコ秒レーザーが発売され10年が経過したが,学会ではピコ秒のシンポジウムやパネルディスカッションは継続して行われており,ここ最近では,ピコ秒を使用したシミ治療がテーマになることもある.ピコ秒の開発段階では,シミ治療というターゲットはまったくなかったようである.というのも,筆者は2014年2月に米国のレーザー会社を訪問した際に日本で売れるかどうかの相談を受けた.日本では刺青だけの適応だと購入する医師は少ない可能性もあり,またその当時は,ピコ秒での老人性色素斑の治療を考えていなかったので,低出力で行うToning治療(pico toning;PT)なら可能性があることを話した.機器も使用させていただいたが,プロトタイプで治験中であり,まだ安定しないことを問題点としてあげていた.なお,レーザートーニング(laser toning;LT)に関しては,本誌第4巻第2号1)を参考にしていただければと思う.