肺動脈性肺高血圧症は進行性の肺動脈リモデリングによる右室圧の上昇を経て,右心不全をきたし,右心不全が主要な死因となる疾患である1)。右心不全は古典的に代償期と非代償期へと進展する。左心不全に関する分子機構の研究は数多く行われてきているが,右室と左室は発生学的,形態的,生理学的,分子生物学的に異なる臓器であるため,肺高血圧症の病態を解明するには右心不全に関する基礎研究を進める必要がある2)。また,右心不全の病態解明とともに,右心不全を検出するための特異的バイオマーカーの同定が,肺高血圧症の診療体制を向上するために必要である。そのため,今回,マルチオミックス解析により肺高血圧症に伴う右心不全の病態を探索するとともに,血中バイオマーカーの同定を本研究にて行った3)。
基礎医学Up-To-Date
肺高血圧症右室オミックス解析によるバイオマーカーの同定
掲載誌
Pulmonary Hypertension Update
Vol.10 No.1 42-45,
2024
著者名
横川 哲朗
/
Olivier Boucherat
/
Steeve Provencher
/
Sébastien Bonnet
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
循環器
/
呼吸器
診療科目
循環器内科
/
呼吸器内科
媒体
Pulmonary Hypertension Update
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

