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臨床 重度の早期発症胎児発育不全後の新生児肺高血圧症:オランダのSTRIDER試験の事後考察
掲載誌
Pulmonary Hypertension Update
Vol.9 No.1 59-61,
2023
著者名
中山 智孝
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
循環器
/
呼吸器
/
小児疾患
診療科目
循環器内科
/
呼吸器内科
/
小児科
媒体
Pulmonary Hypertension Update
胎児発育不全(FGR)は子宮内で胎児の発育が何らかの原因により障害され,週数相当の発育ができなかった状態である。周産期胎児死亡の最大の原因であり,特に早期発症FGR(妊娠32週前)では子宮胎盤循環における高血管抵抗が関連し,胎盤機能不全に至るとされている。妊娠を終了することが根本治療であるため,医原性早産により産まれた新生児は新生児集中治療室に入院する可能性が高く,新生児の死亡率と罹病率が高くなる。以前の研究では,ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬であるシルデナフィルが子宮胎盤循環を改善させることが示唆されており,これにより妊娠期間を延長させて胎児の成長を促す可能性がある。この効果はシルデナフィルの胎児への直接的な影響は想定されず,胎盤機能の改善によると考えられた。オランダのSTRIDER(Sildenafil TheRapy In Dismal prognosis Early onset fetal growth Restriction)試験では,重度の早期発症FGRの治療法としてシルデナフィルの周産期死亡率や周産期合併症の罹病率が無作為化プラセボ対照試験にて評価された。この試験では,重度の早発性FGRの妊婦にシルデナフィル25mgを1日3回投与する群とプラセボ群に無作為に割り付けた。しかし,事前に計画された中間解析でシルデナフィル群に割り当てられた妊婦の児において,予期せぬ肺高血圧症(PH)の発生率増加がみられ,2018年7月に試験中止に至った。本論文の目的は,PHと診断された児の診断を検証,類型化,特徴を明らかにすることであり,PHの病態生理や新生児死亡との関連を考察することである。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

