肺高血圧症(PH)は,2022年のESC/ERSガイドライン改訂にて平均肺動脈圧(mPAP)>20mmHgと定義が変更された。肺疾患に伴うPHは第3群PHに含まれ,高齢者,男性優位で,喫煙者が多く,低酸素血症は一般的だが動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)はさまざまで,肺拡散能力測定試験(DLco)はしばしば高度に低下するという特徴がある。PHが疑われる場合,心エコー・肺機能検査,CT画像などを合わせて解釈し,右心カテーテル検査は管理決定に役立つと予想される場合に推奨される。治療は基礎となる肺疾患に加え,低酸素血症の最適化とPHセンターでの肺移植の適応も含めた評価と治療への個別アプローチが推奨される。アンブリセンタン使用は特発性肺線維症に,リオシグアト使用は特発性間質性肺炎に伴うPH患者には推奨されない。第3群の非重症PH患者にはPAH治療薬の使用は推奨されないが,間質性肺疾患に伴うPH患者ではトレプロスチニル吸入が期待される(本邦未承認)。