術前治療による病理学的完全奏効(pCR)は予後予測因子である。したがってpCRが得られなかった場合には術後に何らかの別の治療を加えたくなる。HER2陽性乳癌の術前治療ではトラスツズマブとタキサン系抗がん薬を併用し術後にトラスツズマブを投与することが多いが,pCRが得られなかった場合に術後にトラスツズマブをそのまま使用するだけでよいのか,トラスズマブエムタンシン(T-DM1)に変更したほうがよいのか,このクリニカルクエスチョンにランダム化比較試験で答えたのがKATHERINE試験である¹⁾。術前に最低9週間のタキサンとトラスツズマブは必須とし,ペルツズマブなどの併用も許容され,アントラサイクリンとシクロホスファミドはLocal standardで使用された。
Land-Mark papers in Oncology~エポックメイカーとなった論文~
「治療」Trastuzumab emtansine for residual invasive HER2-positive breast cancer(KATHERINE)
掲載誌
CANCER BOARD of the BREAST
Vol.6 No.2 59,
2021
著者名
南 博信
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
血液内科
/
腫瘍内科
媒体
CANCER BOARD of the BREAST
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。