非浸潤性乳癌は乳管癌(ductal carcinoma in situ;DCIS)と小葉癌(lobular carcinoma in situ;LCIS)に分類されるが,後者に関しては病理組織学的に異形小葉過形成(atypical lobular hyperplasia;ALH)との鑑別が従来から大きな問題となってきた。双方ともに図1に示すように基本的には間質浸潤を伴わないで小葉内にEカドヘリン陰性の小型の異形細胞が増殖する病態である。しかしLCISが悪性で,ALHが良性であることから数多くの病理組織学的鑑別診断の試みが報告されてきた1)