制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)は2015年,その発見者である坂口志文大阪大学教授がガードナー国際賞を受賞したことで記憶に新しい。TregとはCD4+,CD25high T 細胞を指し,免疫自己寛容の維持を主たる作用とする。つまり,Tregは自己への免疫応答を抑制する働きを有している。Tregのこの抑制的な機能はFOXP3遺伝子発現に依存し,TregマーカーとしてFOXP3が使用されている。癌におけるTregの起源については諸説あり,種々のサイトカインにより腫瘍に動員されたとする説,腫瘍内のT-cellからde novoに発生したとする説など,現在も研究が進んでいるが,決着は得られていない。癌におけるTregは,個体の免疫機構が腫瘍を異物として除去する機構(tumor surveillance system:免疫監視機構)を妨げる“個にとっての悪役”と考えられている。実際に,乳癌を含む多種の癌で,Tregの増加が腫瘍内/循環血漿中で認められている1)。循環血漿中のTregは手術による原発巣の摘出により減少,癌の再発により増加し,癌の進展に密接に関わるため,バイオマーカーとして注目されている2)。
用語解説
Treg(regulatory T cell)
掲載誌
CANCER BOARD of the BREAST
Vol.1 No.2 70,
2015
著者名
柴原 裕紀子
/
笹野 公伸
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
一般外科
/
腫瘍内科
/
放射線科
媒体
CANCER BOARD of the BREAST
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

